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話を終え、彼女と別れた後に、午後の講義に顔をだし、授業を受けた後、その日はサークルには顔を出さずに大学を出た。
彼女も一緒である。
二人とも、もしも親に反対された場合、なんとか説得しようと考え、早めに帰って親と話そうと考えたからである。
俺は、真っ直ぐ家路に向かった。
30分ほど歩くと、二階建ての白い家が見えてくる。
周りの家と比べると、白い家というのは中々なく、けっこう目立つ。
昔、父に、いくらくらいかかったのかを聞いた事があった。
確か3000千万くらいだったと覚えている。
自分の部屋も8畳はあるので、この家には十分満足していた。
玄関を開け、
「ただいま~」
と、言って一先ず自分の部屋に向かう為に階段を登った。
とりあえず、彼女の報告メールを見てから親に話そうと思ったからだ。
自分の部屋のパソコンがある机に座り、メールを待つ間、趣味である推理小説を読み始めた。
1時間ほど読んだだろうか?
携帯のメール音が鳴った。
一通のメールが入っている。
彼女からのメールだろうと思い、携帯を取り、メールを確認する。
メールはこう書いてあった。
『ok貰えたよん☆
貴之はどうだった?多分、大丈夫よね?男だし(笑)
ペンションの予約お願いね!ペンションの名前と電話番号書いとくね。取れたら連絡頂戴ね☆』
そう書かれ、文の最後に、ペンションの名前である、
『ペンション鷹』
と、その電話番号が書いてあった。
「さてと…」
今度は俺の番だ。まぁ、彼女の言う通り、男である俺の方は反対されないだろう。
そう思いながら、下にいる母と話をする為に階段降りた。
リビングの隣にある居間では、母と妹二人がテレビを観ていた。
「母さん、ちょっと話があるんだけど」
母が俺の方に顔を向け、
「何?どうかしたの?」
と言った。
二人の妹もこちらを見る。
「ああ、大した事じゃないんだけど、今度の正月に彼女とスキー旅行に行こうと思ってるんだ。いいかな?」
母にそう聞くと、下の妹である、麻奈が
「あ~、お兄ちゃんたらエッチな事考えてるんでしょう?(笑)」
……うるさいな。確かにそうだけど。
「いいんじゃない?楽しんでらっしゃい。後で、お父さんにも話すのよ?」
「わかってるよ」
okを貰えたので、予約を取るために部屋に戻った。
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