―序章―6/7[mon]pm11:53

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女性アナウンサーは、「今、画面上に出ている【服従確認】とは何を意味するのでしょう――誰かが、広島から岡山に移動したということでしょうか?」と首を捻った。 電話を切ったあと、智久は仏壇の前に行き、父親の遺影に向かって手を合わせた。  ――俺は、あいつを許さない。いつ、少年院から出てくるかは分からないけど、出てきたら必ず、俺の手で罰を与えてやる。 ぐっと拳を握り締め、復讐を誓った。 智久の父親を殺害した少年は、広島県東広島市八本松町にある広島少年院に収容されていた。少年院のある場所は広島県内で、少年は高校生の年齢だ。 ――あいつも、さっき流れていた意味不明の命令の対象か。 「ふっ、くだらねぇ」 智久は、涙をぬぐってベッドに潜った。
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