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この新幹線の運転手にも、子供がいるかもしれない。それが高校生だったら……自分の子はどうなっている?子供から「自分は新幹線に乗る」と連絡があったかもしれない。もしかしたら、落ちた高校生のなかに我が子が――。
1人の男子が、落ちた生徒を助けるために線路に飛び降りた。
「バカ野郎、死にたいのか!」
駆け寄ってきた駅員が怒鳴る。
「俺の友達の彼女なんだ!」
「友達の彼女より、自分の命だろうが!!」
「助けないと」
新幹線内で出たゴミを輸出したり、逆に物品を投入したりするために、新幹線のホーム下には通路が設けられている。男子は、女子をその通路に引っ張り込もうと考えていた。
男子は、意識のない女子を抱えて叫んだ。
「おい、起きろ!他のみんなは通路に逃げろーッ!」
しかし動転しているのか、4人とも慌ててふためき大声を張り上げるばかりで、動こうとしない。無理もない。白い巨大な物体が自分たちに向かってきているのだろうか。自転車を目の前にしたときの比ではないだろう。
「あっ……あっ……」
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