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智久は「ちょっと見てくる」と言うと、乱闘が起こっている噴水広場を避けて、駅の構内に入った。
10分後。智久は2人の元へと帰ってきた。右の頬がぷくりと腫れていた。
「構内の電光掲示板を見てきた。新幹線も在来線も運行を見合わせてた。新幹線の人身事故が原因みたいだ。それと……殴られた。いきなりだ!俺が何をしたって言うんだ!!」
「だ、大丈夫?――ねぇ、どうしよう」友香は腫れている智久の頬を擦りながら、自転車のほうをチラリと見た。
「チャリは無理だろ――バス?飛行機?困ったな」
智久も停めてある自転車をチラッと見る。
修一は2人の顔を見比べながら、にんまりと不気味な笑みを浮かべた。
「車で行こうぜ」
「はぁ!?」同時に声を上げる智久と友香。
「お前の家には、高級車のレクサス、それも1000万以上もするLSがあったよな?」
「あるけど……免許証を持ってないだろ!」
「免許は持っているのだ」
修一は財布から免許証を取り出すと、自慢気に2人に見せびらかした。
【種類 原付】
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