第一章命令①

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『刑務所行き』 ――自らの意思で動けない人たち……少年院に収容されている人たちはどうなるんだ? 智久は修一に免許証を返した。そして、目を細めて護送車を見る。その目には、憎しみが宿っていた。 ――あいつは、父さんを殺した奴は、今どこにいる!? 智久の顔を見て異様な雰囲気を感じた修一は、背中を丸めてしおらしく言った。 「急に怖い顔しやがって――お、俺のせいか?無茶言った俺のせいか?だったら謝る、ごめん。冗談がすぎた」 「修一のせいじゃ……」 そのとき、智久の携帯が鳴った。母親からの着信だ。 『智久、今どこにいるの?』 「……広島駅。友香と修一と一緒にいる」 『岡山に行こうとしてるのね。連絡が遅くなってごめんなさい。仕事が立て込んでて、抜けることができなかったの』 「仕事が忙しいのは分かってる。大切な仕事なんだろ!?――こんな異常な事態でも……。俺のことが心配じゃないのか?」 『心配だから電話したんじゃないの』
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