―序章―6/7[mon]pm11:53

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「なんだよ、これは……」 困惑する智久。そのとき、放送されていた深夜アニメが突然中断され、女性アナウンサーの姿が映し出された。深夜のニュース番組を担当している人だ。 アシスタントディレクターが張り上げる「準備は?」という声が聞こえる。慌ただしさと異様な雰囲気が伝わってくる。 女性アナウンサーは顔を上げ、目線をカメラに向けた。 「番組の途中ですが、一時中断させていただきます――今現在、画面上を流れているテロップは、放送事故などによるものではありません。電波ジャックであるのか、当局でも事態が掴めておらず、原因の究明を急いでおります。突発的な混乱を避けるため、番組を一時中断しました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません――各局と連絡を取り合っているのですが、情報がさっとうしている状況です」 画面上のテロップはまだ消えない。智久は言った。 「どうなってんだ?規模のでかい視聴者ドッキリか?」 『私にも分からない。こんなの初めてだし』 アシスタントディレクターが、そわそわしている女性アナウンサーに原稿を渡した。
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