72人が本棚に入れています
本棚に追加
見栄っ張りの義母が選んだ、豪華な料亭。
真理亜のように、優しげな微笑みを真似て、義母が望む嫁を演じ接待に、あちらこちらの席に御酌に回る。
宴も終盤に近づき
このまま、義母を怒らせないまま終わる事を願い続けた。
「叔母さん遅くなってゴメンな…」
「猛さん!!」
義母の2オクターボ高い声が広間に響きわたる。
その瞬間 私の心に一度は消したはずの【殺意】が甦る。
心拍数があがる。
息がしにくい。
額に汗が滲む。
本家の跡取り息子、猛の登場ではしゃぐ義母と雅。
彼は一族のアイドル的存在。
端正な顔だち
黒く日焼けした肌に無駄のない筋肉
全身の全てを一流品で飾らている。
『御義母様、アナタの可愛い甥っ子は、世間では害虫と呼ばれるヤクザなのよ。その男に真理亜は…私の親友が…』声に出してしまいそうになった。
キライ
キライ
キライ
息が苦しい…。
最初のコメントを投稿しよう!