蝉の声

8/14
前へ
/74ページ
次へ
…遠退く意識の中 慌ただしくサイドブレーキを引き、ドンっとボンネットが開く音とともに、 重いドアが閉まる音が 同時に聞こえた気がした。 「今、楽にしてやるからな…」 猛の低い声が耳元で囁く…。 ギュッと 左手の二の腕を掴まれたように押さえつけらた 苦しくって身動きひとつできないでいた。 …一瞬… ほんの一瞬 …プッチと小さな音がした…
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加