プロローグ

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「あーつーいー!!」 「うっさい鈴奈!!暑いのは皆一緒だろバーカ」 「んだと海ぃーっ!!バカって言う方がバカなんだからねっ」 「小学生かよお前…」 うだるような暑さの中ぎゃあぎゃあと言い合いをしているのは私、小倉鈴奈(オグラ スズナ)と、私の同級生の長瀬海(ナガセ ウミ)。 海との言い合いは毎日の事だった。最近では"夫婦喧嘩"なんて言われる始末。付き合ってもいないのにね。 「鈴奈ちゃーん、海ー、夫婦喧嘩してないで帰るぞー」 「「夫婦じゃない!!」」 「おー!!見事なハモり具合じゃんご夫婦」 「勝也くーん…?」 「ちょ…怒んなって鈴奈ちゃん!!冗談じゃんじょーだん」 「もう…」 このニヤニヤしながら私と海をからかってるのは、武田勝也(タケダ カツヤ)。同じクラスで、夫婦喧嘩とかいうバカな言葉を広めた張本人だ。 ただバカな事は言うけれど意外にいい奴でもある。 「すーずな!!勝也のしょうもない冗談なんかほっといて帰ろーっ」 「茜ー!!うん、そだね。帰ろーっ」 「ひっでぇ!!俺おいていく気かよっ」 ちょこちょこと勝也くんの後ろから飛び出して私に近寄ってきたのは榎本茜(エノモト アカネ)。勝也くんにはすごく毒舌な子。 そして、勝也くんの好きな子だったりもする。そして茜もなんだかんだ勝也くんが好きなんだけど…お互い言わないから進まない。 はやく告っちゃえばいいのに…。 「嘘に決まってるでしょ勝也くん。じゃあ今日も皆で帰ろーっ」 この3人が私の親友。 そして私を含んだこの4人グループは高校1年のときからこの1年ずっと一緒。 これからもずっとそれは続いてくって、信じてた。
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