プロローグ

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「んで!?結局何よ?」 「あ…あぁ、いや、暑いじゃん?」 「うん、暑いね」 「だから…」 「だから?」 「皆でうみ行こーぜー!!」 一瞬4人の間に静寂が生まれた。 フッと鼻でわらったのは茜と勝也くん。 「おい海、まさかお前自分の名前にかけたのか?」 「え?ちが…」 「あははははっ海くん流石だねっ!!いいアイデアだけど海くんが言うから笑える…っ」 「ちょ…ひでーよお前ら!!せっかく俺が――」 「行きたーーい!!うみっいいねうみっ!!行こー行こーっ」 笑う二人をよそめに私だけはすごくノリノリだった。 「おーっ!!やっぱり鈴奈はノってくれたかーっ」 「あったり前じゃん!!」 「さすが夫婦」 「勝也くん?」 「ハイスミマセン鈴奈ちゃん」 「でも笑っちゃったけどほんとにいいとは思ったよ海くん。行こうよ、みんなで」 「まぁ確かに海にしてはいいアイデアだな。暑いからってのはあれだけどな」 「うっせーよ勝也っ」 笑いながらなんだかんだ皆行く気満々で計画をたてはじめた。 みんなでうみ…。楽しみ。はやく行きたいなぁ。 「絶対行こうな、うみ」 「うん」 ちょうど4人が分かれる分かれ道で、海の言葉にみんなが頷く。 「じゃあ、また明日な」 「また明日ね」 「また明日ー」 「また明日な」 ばいばーいとみんながそれぞれの帰り道を帰っていく。 いつも通り いつも通りの話だった 私が家に帰るまでは。
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