幻のG

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ぐるぐる回るバルサン。ぐるぐる回る茶色い目がバッテンな奴。 外に逃げ出してくるのだろうか。それとも家の中で…。ああ、気になる。 「待て待て疾風」 腕を引かれ、足が止まる。 「離してください。こうしてる間に奴が逃げ出してたら…」 「逃げ出してたら?」 口をヘの字にして雅信先輩を見上げた。 「見れないじゃないですか」 奴を。生で本物の誰彼構わずとにかく嫌われているあの奴を。 俺だって一度は見てみたい!
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