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「それは?」 少年が手に持つ花を見て、少女が云う。 「ここに来る途中で摘んだんだ。殺風景だから、花でも飾ろうと思って」 少年はおもむろに、小さなガラスのコップをカバンからひとつ取り出した。これもここに来る途中で、少年が買ったもの。 コップには水差しにあった水を注ぎ、そこに花を挿した。
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