あなたの元へ

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バカだよね。 メールくらいくれればいいのに、撮った写真を何枚か郵送してくれた。 携帯も通じないところに行ったのか、タクの声すら聞けない。 アメリカから東京に戻り、4通目の手紙。 『理想の被写体を見つけた。それが撮れたら、自信をもって日本に帰る。そしたら、指輪もらってくれる?』 面と向かってプロポーズしてよ、バカ。 でも、嬉しくて私は泣いてしまった。 それからずっと、私は待ってる。 そして、三度目の七夕を迎える直前、私は機上の人となった。 タク。 織姫の方から彦星に会いに行くわ。
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