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「マジック探してるんだけど知らないか?」
「マジック?」
「太いペンのやつ」
「……ここにあるわよ。はい」
「赤いの無いか?」
「黒じゃ駄目なの?」
「赤が良い」
「……あった。はい」
「ありがとう」
「赤のマジックなんて何に使うの?あなた」
「えーっと、未奈美ちょっと良いかな?もうひとつ頼みたい事が有るんだけど」
「何?」
「この紙に、ウルトラマン……って書いてくれないか」
「え?ウルトラマン?どういう事よ」
「いやな、太朗がウルトラマンにサイン貰って来てって言うもんだから」
「まあ……子供って純粋で良いわね。でもそういうのって普通、中の人が書くものじゃない?」
「……俺は所詮エキストラなんだ。あいつは凄く性格が悪いから、コネが無きゃサインなんて貰えないよ」
「そうなの……別に良いけど、どうしても私が書かなきゃいけないの?あなたが自分で書いても良いんじゃない?」
「ほら、俺の字は汚いから」
「ああ……そう言えばそうだったわね。じゃあ私が書くわ」
「頼む」
「書けたわよ!ほら…………う……」
「太郎!?起きてた……のか」
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