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ある日、北風と太陽は力比べを行った。
偶然通りかかった旅人の上着を、どちらが脱がせられるか競うのである。
北風は、雑草が地から抜け飛んでしまう程強く、旅人を吹き付けた。
だが旅人は北風に耐える為、より深く上着をはおった。
「北風は馬鹿だなあ!もとより、風と寒さに耐える為の上着であろう!」
北風は、旅人の上着を脱がす事も吹き飛ばす事も出来なかった。次は太陽の番である。
太陽は、雑草が枯れる程強く、旅人を照らし付けた。
だが旅人は日に焼けるのを嫌ったのか、上着を脱ぐ事は無かった。
「大口を叩いた割には、何も出来なかったようだな太陽!」
太陽も、旅人の上着を脱がす事は出来なかった。
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