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「何を笑っているのだ北風よ!これでは互角だ!」
「黙れ太陽!もとより俺の方が、お前より優れている事に変わりは無いわ!」
「何だと!?」
「やるか!?」
北風と太陽は喧嘩を始めた。
強い日差しで地は枯れ、嵐が土をえぐり宙に巻き上げる。
「このやろう!」
「俺の方が上だ!」
「あら……何だか、騒がしいわねぇ?」
渇きと嵐の中に突然、琴を撫でたかのような、聞き惚れる声が通った。
「……その声は!」
「……女神様!」
天変地異に割り込んだ声の主は、北風や太陽より遥か高くに浮かぶ、星の女神であった。
「あら、北風に太陽。貴方達、何を騒いでいるの?」
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