第1回地区予選

3/8
前へ
/19ページ
次へ
「何を笑っているのだ北風よ!これでは互角だ!」 「黙れ太陽!もとより俺の方が、お前より優れている事に変わりは無いわ!」 「何だと!?」 「やるか!?」 北風と太陽は喧嘩を始めた。 強い日差しで地は枯れ、嵐が土をえぐり宙に巻き上げる。 「このやろう!」 「俺の方が上だ!」 「あら……何だか、騒がしいわねぇ?」 渇きと嵐の中に突然、琴を撫でたかのような、聞き惚れる声が通った。 「……その声は!」 「……女神様!」 天変地異に割り込んだ声の主は、北風や太陽より遥か高くに浮かぶ、星の女神であった。 「あら、北風に太陽。貴方達、何を騒いでいるの?」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加