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「なっ……何と言う美しさだ。太陽である俺さえ、気恥ずかしくてかなわん」
計らずも星の女神の全身が白日の元に晒されてしまい、それを見た太陽は元から赤い顔を更に赤くして、瞬く間に下界を焼き払った。
「熱っ!」
全裸の女神は為す術も無く肌を焼かれ、その悲鳴は楽器を落としたかのように、聴く者の耳を貫いた。
すると北風にも太陽にも、星の輝きにも動じなかった旅人が足を止め、ついに女神に振り向いたのである。
「貴女……こんな日差しの中に居たら、せっかくの白い肌が台無しよ?」
「あ……あら」
星の女神は空いた口が塞がらなかった。
自分に歩み寄る旅人が、男の声で女言葉を話したからだ。
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