第3話

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「とにかく、ありがとう!」 そう言って歩き出した奏。 沖田は少し驚いたような顔をしていたが、 ふっと笑い、奏に続いた。 ゆっくりと2人で歩いていると沖田がふと呟いた。 「なぁ、お前って好きなヤツとかいんの?」 ………っ!!? 「す、好きな人ですかっ!?」 ―――まさか『あなたの事が好きかもしれません。』 だなんて言えないぃぃぃっ! ここは平静を装う。 「いないよぉ、そんなの」 「……ふーん、そっか。つまんないのー」 「つまんないって何よ!そういう沖田はどうなのよ」 ―――し、心臓がバックバクいってるっ 「俺?俺はね・・・」 沖田は少し考える素振りをして、 「俺は・・・ ──俺は、分かんないや」
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