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「とにかく、ありがとう!」
そう言って歩き出した奏。
沖田は少し驚いたような顔をしていたが、
ふっと笑い、奏に続いた。
ゆっくりと2人で歩いていると沖田がふと呟いた。
「なぁ、お前って好きなヤツとかいんの?」
………っ!!?
「す、好きな人ですかっ!?」
―――まさか『あなたの事が好きかもしれません。』
だなんて言えないぃぃぃっ!
ここは平静を装う。
「いないよぉ、そんなの」
「……ふーん、そっか。つまんないのー」
「つまんないって何よ!そういう沖田はどうなのよ」
―――し、心臓がバックバクいってるっ
「俺?俺はね・・・」
沖田は少し考える素振りをして、
「俺は・・・
──俺は、分かんないや」
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