第3話

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「分かんないってなによぉ」 少しおちゃらけた感じで言う。 「さあな。 またいつか教えてやるよ」 ――――――――――― ――――――― 屯所に帰り、今は夜。 沖田は、2人分の布団をひき終わり、風呂に行った。 沖田がいない部屋で奏はひとり。 『──俺は、分かんないや』 沖田の答えは曖昧な答えだった。 でも、『俺はいるよ』って言われるよりは良かった。 正直、沖田はあの性格と容姿もあるから かなりモテる方だと思うし 沖田の周りにはあたしなんかよりずっと美人な人がたくさんいると思う。 だから、もし『いる』って言われた時に きっと、それがあたしである可能性は0に近い。 『いるよ』って言われなくて、とりあえずホッとできたかも……。
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