逢魔が時

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「ゆーやけこやけで日が暮れて―」 なんて歌いながらちんたら一人で散歩。 まあ、家に帰りたくないだけなんだけどさ。 道の脇に落ちていた缶を蹴っ飛ばした。 カランコロン――――― 寂しくそれは転がっていった。 小さな缶の影がやたらと大きく見える。 家に帰りたくないのは母さんと喧嘩したから。 進路はどうするの?だとか、将来のこと考えてるの?だとか最近口うるさくなってきた。 それがイヤなんだ。 イヤでイヤでイヤでイヤでイヤでイヤなんだ。 どうせ私が何やりたいって言ってもなんだかんだ理由付けて否定するくせにさ。 私、わかってんだから。 はぁ、とかなんとかため息ついて空を見上げるとそれは見事な紅に染まっていた。 毎度のこと思うんだが夕焼けの紅って血を塗ったくったみたいじゃない? 誰の血なのかなー神様? 切腹したの? なんて考えてたら、クラクションの音が聞こえてきた。
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