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パパッ――パーパパァ―!!!
煩いなぁ……。
そう思いながらクラクションが鳴る方を向いた途端、
ドンッ――――――
衝撃。
鈍い、痺れるような痛み。
変な浮遊感。
地面とぶつかる感覚。
体が硬い。
まるで岩みたい。
まったく動かない。
なんだこれ。
ボーっとする頭で考えてみた。
あぁ、なるほど。
あのクラクションは私に向けてだったのね。
私の周りがざわざわと煩い。
「救急車―!!救急車を呼んでくれー!!!」
「キャー――――!!!」
「血が!!血がどんどん出てて来る!!」
「俺は!!俺は悪くない!!」
煩いなぁ、静かにしてよ。
重たい瞼を開けるとそこは真っ赤に染まっていた。
あぁ、夕焼けの赤って私の血の色だったんじゃん。
とかふざけたことを想って私はまた瞼を閉じた。
家に帰ったら母さんともう一度話し合おう。
そう思いながら私は意識を手放した。
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