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「へへへ…、なかなかいいもんじゃん」
水色の、キラキラと輝く鎧をぺたぺた触りながら、秀太は上機嫌に頷いた。腰には立派な装飾を施した剣もある。
「どうやらミミックはあれだけだったか…」
グレイスと秀太の二人はしばらく休憩した後、ダンジョンを更に奥へと進んで行った。
奥に進めば進ほど気温が高くなり、周りの壁に手を当てられないほど暑くなってきた頃から、宝箱がいくつか姿を見せた。
秀太がグレイスに取りに行かすと、かなり良さげな装備品がどんどん出てきた。秀太が今身に付けているのは、水竜の鎧。特殊効果でもあるのだろう、装備すると一瞬にして周りの暑さが気にならなくなった。
腰につけている剣は水幻の剣らしい。グレイスにどういう武器なのか尋ねると、
「水幻は水源でありまた水元でもある、水源は水幻を生むなんたらかんたら…」
長い説明が始まったので、慌てて話題を切り替えた。そのためどのような効果があるのかわからなかったが、これも相当な代物のようだ。
「くそぅ……俺よりよっぽどいいもの装備しやがって…」
というグレイスの切なげな呟きは、この際聞かなかったことにする。
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