13人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴様の野望もここまでだ、ハーゲン!」
半分しらけ気味の秀太をよそに盛り上がる二人。
「ふん、その様子だと既に私の正体に気付いていたようだな」
「そういうことだ。いつまでも化けの皮を被っていないで、いい加減正体を現したらどうだ?」
しらけ気味だった秀太が、興味をもったように田山――ハーゲンを見た。
変身でもするのか?
頭の中で、いかにもゲームの終盤で出てきそうな醜悪なモンスターを想像する。しかし――
「よかろう。いつまでもこんなものを被っていても仕方ないからな!」
そう言うとハーゲンは自分の頭からカツラを剥ぎ取った。
…………そう、カツラを。
「ふっ、その変装には随分と苦しめられたよ」
なんだか……やる気が急激に消えていく…
教頭よ…。あなたのカツラはほとんどの生徒にバレていますが…。
もはや教頭とグレイスの二人がどこまで真面目なのかがわからず、やるせない気持ちになってしまう秀太。
「おい谷津本!弛んでいる場合か、しっかりしろ!」
やつが仕掛けてくるぞと、グレイスが秀太の背中を強く叩いて指摘してくる。
最初のコメントを投稿しよう!