あの人

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「…チッ…」 一方通行は自分の部屋にいた。 打ち止めの部屋から出てきたあと、リビングに行きたくなくなったため、部屋にいるのだ。 「やっぱりカードなンて やるんじゃなかったなァ…」 あのカードは二日前一緒にいた女の子の提案だった。 ―二日前― 「ねぇねぇ、カードをつけてみたら?」 「あァ?カードだ?」 「カードに"大好きだよ"って書いて…」 ―――――――――――――― 「やるんじゃなかった」 口ではこんなことを言っているが、心の中ではそんなことちっとも思ってなかった。 打ち止めの笑顔が嬉しい。 彼は何度も彼女の笑顔を守り抜いてきた。 …どんな手を使っても。 たまには 素直になってもいいだろ? 「…打ち止め…。 側にいてやるよ…。 お前を必ず守ってやる。 好きだ、打ち止め」          あの人 END
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