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走ってきたのは自転車置き場。
「はぁはぁ・・・」
すると上から声がした。
「綾果ー?どうしたのー?」
「由美・・・。」
「・・・そこにいなさい。今からそっち行くから。」
「うん・・」
しばらくして由美がベンチに座っている私の横に座った。
「はい、これ!苺ミルクさんでーす」
顔を上げると由美の笑顔。
どうしよう、また涙が・・。
「運動選手は甘いの禁止・・」
「今はこの由美監督が許すからOKだよ~。」
無理やり握らされた。
丁寧にストローまで刺さっている。
「・・ありがと。」
「いいって~。落ち着いた?」
「うん・・」
「凄い顔してもんねー。この世の終わりみないな。」
何その分かりやすすぎる例え。
「ははっ・・何それ・・」
「んー?知らなーい。」
多分、由美はわざと聞かないでいてくれてる。
いつもは空気読まないのに・・。
結構な時間二人とも話さなかった。
でも、嫌じゃない。
「あっもう7時だ!ごめんね、由美塾なんだ!帰んなきゃ!大丈夫?」
「もうそんな時間・・。大丈夫だよ。頑張って、バイバイ。」
「あんまり、落ち込んだら駄目だよー!ばいばーい!」
そう言い背を向けて走っていく由美。
私も帰ろ・・。
あ、全部部室だ。
男子ももう帰っているはず。
・・・鍵・・・。
いや、部長が残っているかも!
そんな期待を持って部室に急いだ。
「やった・・・。まだ明るい。」
部室の扉をそーっと開ける。
でもそこのいたのは部長なんかじゃなかった。
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