ep1

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走ってきたのは自転車置き場。 「はぁはぁ・・・」 すると上から声がした。 「綾果ー?どうしたのー?」 「由美・・・。」 「・・・そこにいなさい。今からそっち行くから。」 「うん・・」 しばらくして由美がベンチに座っている私の横に座った。 「はい、これ!苺ミルクさんでーす」 顔を上げると由美の笑顔。 どうしよう、また涙が・・。 「運動選手は甘いの禁止・・」 「今はこの由美監督が許すからOKだよ~。」 無理やり握らされた。 丁寧にストローまで刺さっている。 「・・ありがと。」 「いいって~。落ち着いた?」 「うん・・」 「凄い顔してもんねー。この世の終わりみないな。」 何その分かりやすすぎる例え。 「ははっ・・何それ・・」 「んー?知らなーい。」 多分、由美はわざと聞かないでいてくれてる。 いつもは空気読まないのに・・。 結構な時間二人とも話さなかった。 でも、嫌じゃない。 「あっもう7時だ!ごめんね、由美塾なんだ!帰んなきゃ!大丈夫?」 「もうそんな時間・・。大丈夫だよ。頑張って、バイバイ。」 「あんまり、落ち込んだら駄目だよー!ばいばーい!」 そう言い背を向けて走っていく由美。 私も帰ろ・・。 あ、全部部室だ。 男子ももう帰っているはず。 ・・・鍵・・・。 いや、部長が残っているかも! そんな期待を持って部室に急いだ。 「やった・・・。まだ明るい。」 部室の扉をそーっと開ける。 でもそこのいたのは部長なんかじゃなかった。
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