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ー 千聖
いきなりチャラ男が大声で叫んだ。
私は過去のことを思い出してしまう。
ーずっと…心に鍵をかけていたのに…こいつのせいで…。
「ご、ごめん、」
煩い。
消えて。
私の目の前から
今すぐ、、、
「…もぉ……ぃゃだ。」
それが言えた唯一の一言。
それからは泣くしかなかった。
人の目の前とか、
こいつが嫌いだなんてことも忘れて。
あの日から流すことのなかった涙は
枯れていなかった。
それどころか
大量に。
止まることなく溢れ続けた。
私の耳にはもう、
チャラ男の声は聞こえず、
ただ、
頭に暖かな感触を覚え、
それは初めて味わった
優しさだった。
心地よくて
私は泣き疲れて
夢の中へと吸い込まれていったーー。
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