石像の大地

6/12
前へ
/68ページ
次へ
そして2日後、現在に至る。 合流した俺達は『石像の大地フィールド2』に移動を果たし、目標地点として定めていた鉱山まで行くことが出来た。 「ふう…キツいな、実際身体を動かすんだから疲れるのは当たり前…だけどさ」 「《バーサク》の使いすぎだよ、とわ。無理はしない方がいい」 「つっても…元々俺は『冥府の塔』の塔登りだ、ボス倒す基本として《バーサク》を多用してた、《バーサク》を使わないのが珍しいくらいだ」 スキルを使えた時は驚いた、最初にスキルを発見したキッカケは犬丸の変身スキルだ。 どうやらスキルは体に染みついてる様で、剣技でも何でも思うままらしい。 ただしMPは減る。 意識すれば表示されるステータス値を見ながら敵を狩るのは非常に困難だった。 現在は後衛に誰かを配置させ、仲間のステータスを見て回復に回したりや攻撃に回したり、といった具合だ。 俺も古参プレイヤーだが、恐らくソロプレイは難しい。 「とわ、俺も塔登りだ。だけど我慢している」 「でもでも、とわさん頑張ってます!嬉しいです、だけど…自分の身も案じて下さい…」 那奈に言われたら仕方がない、素直に受け止めて気をつける様に言った。 那奈に口で勝てた試しはない、一度も、だ。 「お茶飲みます?」 「酒が欲しい」 「あげません!ゲーム内ならまだしも…今は現実です、酔っちゃいます」 そうだった。 MP回復アイテムに酒のアイテムがあったが、未成年は一生使えないという事だろうか。 那奈は、あと数年か? 「姫とシエンは?」 「犬丸は採掘、シエンはトイレ?」 「トイレなんてないぞ?」 「聞くなよ」 多分、想像もしちゃいけない。クロはあぁ…と言って黙った、把握したんだろう。 那奈はお茶をコップに注いで数個を地面に置いた、1つ手に取って飲むと、口の中が暖かくなる。 お茶はどこから出したのか、答えはプレイヤー達の持つバッグだ。 100種類までなら個数関係なく入れられる魔法のバッグ、暖かいお茶の入ったポットはここから出てきたのだった。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加