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そして2日後、現在に至る。
合流した俺達は『石像の大地フィールド2』に移動を果たし、目標地点として定めていた鉱山まで行くことが出来た。
「ふう…キツいな、実際身体を動かすんだから疲れるのは当たり前…だけどさ」
「《バーサク》の使いすぎだよ、とわ。無理はしない方がいい」
「つっても…元々俺は『冥府の塔』の塔登りだ、ボス倒す基本として《バーサク》を多用してた、《バーサク》を使わないのが珍しいくらいだ」
スキルを使えた時は驚いた、最初にスキルを発見したキッカケは犬丸の変身スキルだ。
どうやらスキルは体に染みついてる様で、剣技でも何でも思うままらしい。
ただしMPは減る。
意識すれば表示されるステータス値を見ながら敵を狩るのは非常に困難だった。
現在は後衛に誰かを配置させ、仲間のステータスを見て回復に回したりや攻撃に回したり、といった具合だ。
俺も古参プレイヤーだが、恐らくソロプレイは難しい。
「とわ、俺も塔登りだ。だけど我慢している」
「でもでも、とわさん頑張ってます!嬉しいです、だけど…自分の身も案じて下さい…」
那奈に言われたら仕方がない、素直に受け止めて気をつける様に言った。
那奈に口で勝てた試しはない、一度も、だ。
「お茶飲みます?」
「酒が欲しい」
「あげません!ゲーム内ならまだしも…今は現実です、酔っちゃいます」
そうだった。
MP回復アイテムに酒のアイテムがあったが、未成年は一生使えないという事だろうか。
那奈は、あと数年か?
「姫とシエンは?」
「犬丸は採掘、シエンはトイレ?」
「トイレなんてないぞ?」
「聞くなよ」
多分、想像もしちゃいけない。クロはあぁ…と言って黙った、把握したんだろう。
那奈はお茶をコップに注いで数個を地面に置いた、1つ手に取って飲むと、口の中が暖かくなる。
お茶はどこから出したのか、答えはプレイヤー達の持つバッグだ。
100種類までなら個数関係なく入れられる魔法のバッグ、暖かいお茶の入ったポットはここから出てきたのだった。
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