石像の大地

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持っているアイテムを全て調べておいた方が良いだろうとクロスロードは発言し、誰も異議を唱えなかった。 「まずはとわから」 「…ミネラルウォーター1つに、紙4つ。四葉の銀栞が2つ…に騎龍笛、あと装備だ」 『四葉の銀栞』はレアアイテムだ、効果がある訳ではないがとあるイベントで渡された上級者の証でもあるアイテムだ。 1つは俺ので、1つは師匠がゲームを引退する時に貰った。 「四葉の銀栞の後ろには英語表記で名前が書いてある、Towa。…ってね」 「英語表記?とわはローマ字表記じゃないか」 「いや、俺の師匠…トワイライトの表記はTwilight…フルネームは良いとして、こりゃ薄明かりのスペルだ」 「…無理やり変えた、って事なのかな。確かに俺のもクロスロードって表記になってる」 クロも持っていたようだ、犬丸も確認する。 「Inumal Himeだってさ、プリンセスって表記じゃないだけマシかにゃあ」 独り言を呟いた犬丸の台詞に笑ってしまう、笑うな笑うなと横腹を押される。 犬丸プリンセスご立腹。 「犬丸はどうだ?」 「騎馬笛に採掘用の頭装備…あとは麒麟双撃」 『麒麟双撃』。 周囲が一気に静まった。 伝説装備と言われる高能力装備だ、伝説ボスと呼ばれる敵は各ステージに1体ずついて伝説装備のドロップ率は0.1%以下。 詳しい確率は分からないが、良くて0.04%とされている。その装備、しかも攻撃系アイテムを持っていると犬丸は言い放ったのだ。 「にゃわん…こんな状況で言いたくはなかったけどにゃー、隠しとったんよ」 「…いや、驚く事でもないな。あんなに麒麟のボスに粘着してたんだ、出てもおかしくない」 クロスロードは言ったが、内心混乱だろう。麒麟はボスの中でも二番目に強く、属性武器では珍しい雷属性だ。 ボスはゲーム内の時間で1日1回しか倒す事ができない、故に出にくい。 また伝説装備と言っても防具を含めてである、麒麟装備の中では一番レアなアイテムだ。
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