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「主に渡そうかと…思っとってね」
「おいおい馬鹿な事言うな！どんだけ高いと思ってんだよ、雷属性の中じゃ多分最強だぞ？」
お世辞ではなく、これは本気で言っている。
『冥府の塔』において雷属性の装備は手に入らない、二番目に強いボス…麒麟。一番目は巨大な龍で、これは火属性だ。
色々あるがとにかく強い。
最強極まりない。
雷属性武器自体、数が少ない為に敵も耐性がある物が少なく、かなり有効であり、雷属性自体使いがっての良い武器だ。
「姫がいらないなら私がもらい受けたい」
「クロちにはやらんよー、実際言うとあるじにも渡したくはないくらいさ」
「自分で使え、今は難しいが…強化したくなったら手伝うさ」
路線がズレた話をクロスロードは話を戻そうと段落を置く、次はクロの所持品だ。
「もう一本の『冥府黒刀』、そして『冥府白斬刀』。騎馬笛。終わりだ、塔登りの所持品なんて理解していたがな」
塔登りの中でも塔の出没率が高い彼は、塔籠もりと呼ばれる。『冥府の塔』を毎日登り毎日ボスを倒してはドロップアイテムを確認し、強い装備を欲する者達。
もう一本の『冥府黒刀』も強いステータスを誇った武器なのだろう。
「那奈ちは？」
「私は…騎馬笛もないですが…復活の書が３枚、飲み物と食べ物アイテムがあります」
騎馬笛の説明をし忘れていたか、簡単に言えば笛を吹けば馬が出現してフィールドを駆け抜ける事ができる。
これは１００レベルになった時に支給されるアイテムであり、那奈はまだ達してない為に所持していない。
俺の持つ騎龍笛は別で、龍に乗る。これは『冥府の塔』を単独で制覇する事、『デス火山』最終ボスを倒す事、『デス火山影フィールド』に存在する『シャドウ』を倒し、『裂空エリア10』の神殿にて入手する。
『冥府の塔』単独制覇は難しく、『デス火山』はボス中最強で、『シャドウ』は影の敵というジャンルの中で最強、『裂空エリア10』は裂空エリアで最強の場所。
つまり騎龍笛はゲームを制覇する事で手に入る覇者の証だった。
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