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「復活アイテムか。とりあえず死んでも大丈夫って事か」
「那奈ちナイス!」
「い、いえ…」
「確かに多分復活できるだろうしな…確証はないけど、頼りにしてるぞ那奈」
復活の書はまんまだ。
死んだら復活地点までワープされて回復するが、フィールドで回復できるアイテムだ。
「じゃあ最後に、シエン」
「えと…ありません…」
「…え?」
シエンはしゅんとして答える。
「私がギルドから脱する方法は所持アイテムを置いていく事だったから…」
「ギルドを抜けたのか?」
「シエンさんを攻めないでくださいねとわさん…その、私も抜けてきましたから」
那奈も加勢する。
驚いた、意識しないと見えないステータス画面を確認すると確かにギルドの表記が消滅していた。
「仕方なかったんです、今のギルドはどこも集まって慰めあってます。私はとわさん達といたいから抜けたんです、抜けたいって人は他にもいましたから」
那奈は語った。
とわさん達といたい、という言葉は嬉しかったが簡単に抜けてよかったんだろうか。
シエンなんて、所持アイテムも取られたのに。
「シエンのギルドはエル・アレク…ってマスターだったな、昔から問題児だった奴だ。とわも知ってるだろ?」
「ああ、あれか」
ゲームの頃のギルドバトルにおいて一時期暗黙のルールを破っている奴がいるとして傭兵にかり出された事があった。
敵はエル・アレクのギルドだった、そう記憶している。
「風評被害もあってギルド名称を変更していたようだな、シエンの所だとは…」
「…シエンが無事で何よりだ、よかったな」
背中に引っ付いたシエンを撫でる、あぁこんな事してるからとーちゃんって呼ばれちゃうのかなぁと苦笑した。
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