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「シエンそこで敵を攪乱!クロと那奈は追撃態勢!」
「はいよっ」
「了解」
「はいっ」
声が響き合う草原地帯、5人のプレイヤーに数体の敵。骸骨戦士のスケルトン、牛に似たエダックス、スクーパーと呼ばれる灰色の人間体型の生物。
シエンは水の属性を持った剣を払い敵を攪乱、那奈は攪乱された敵達に無数に浮かべた光の矢を放つ。
残った敵はクロスロードが斬りつける、殲滅もいいとこだが、これで終わる訳ではない。
「主、来るよ」
「クロ先行!犬丸が後に続いて、那奈はシエンを回復」
「了解、姫は右を」
「承知」
クロスロードと犬丸は一言ずつ言い合うと後は無言で連携を取り合い戦っていた。
クロスロードはクール系の男子で、職業は黒騎士。俺はクロと呼んでいる。職業名とマッチした黒い鎧を付け、『冥府黒刀』を駆使していた。
銀髪に鋭い目線、語られる言葉と言えば戦術に戦略…あれ、戦術と戦略は同じだったか?
それでも彼の説明には充分だった。戦術において、ここにいる人員では彼の右には出ない。
(何故俺が戦術を立てているかは疑問だが…)
自分は「とわ。」という名称の白騎士だ、『風城』という風属性の剣を所持している。白騎士と言っても俺はクロスロードの様に職業にマッチした黒い鎧を装備している訳ではない。
銀の光沢に、赤と黒も混じる。ファッションも考慮したつもりだが、シンプルに漆黒で染め上げたクロスロードも格好いい。まさに騎士だ。
「那奈ちー、回復よろん」
「あ、はいっ」
犬丸はバックステップで那奈のいる場所まで下がると、那奈は回復の呪文を唱える。
そう、那奈は魔術師だ。
魔術師…そう魔術師なのだが、あまり魔導系の職業について俺は知らないのだ。
属性を所持した魔術師だというのだけは記憶している。
犬丸は猫の様にすばしっこく獣人に変身できる…職業は何だったか、遊撃手だったか?
名称は犬丸姫である。
クロスロードが姫と呼んだのはこれが理由という訳だ。
犬丸姫の力は防御型、後に説明する事もあるだろうが最上級の防御を誇っている。
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