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「では、戦闘を介入せずに稼げる方法を提示します」
「!」
アザカさんは目を丸くする、メイトさんはどうにも落ち着いて聞いていた。
なる程、どちらかというとメイトさんがギルド管理をしているような雰囲気だ。
「こちらは何を出せばよろしいでしょうか、とわ殿」
「後払いでも構いません。金銭と、街の情報、知っていれば…死んだ後どうなるか」
「…あまりにこちらの損失量が多くないですか?金銭という時点で釣り合いすぎているハズです、今の状況で金銭が如何に重要かは分かるでしょう?」
「アザカ…、妥当なのではないでしょうか。私達に必要なのは金銭、とわ殿の立場の方が有利ですし…」
メイトさんとアザカさんは小さく会議を始めた、のけ者になった俺は何か上手く乗っける方法を考える。
隣を見ると犬丸はお茶を飲んで「あちゅい」と言っていた、お前はお前で何なんだ。
「マスター」
犬丸はいきなり口を割る。
「私達のギルドと同じ立場のギルドも多いハズにゃ、それらと連携して金銭を集めればいいんじゃないかな」
「……そうでした、しかしとわ殿から明確な金銭は教えてもらってないから何とも…」
「百万だ」
辺りがシンとなる、流石に犬丸でもカバーしきれないようだ。今クロ達が行っている40レベル狩りクエストの報酬は千。
20レベル地域で狩りクエストを発行している『猫の集会』において不可能に近い。
「…あるじ」
「とわさんにお聞きしたいのは、私達は本当にその情報を聞き入れて私達のカフェエリア代の集金に間に合わせ、百万を揃えられるのか。です」
「計算しましょう、すみませんが、紙を」
「メイト、ショップで紙とペンを購入。急いで!」
「はいっ!」
慌ただしくなる会議室、ここまで来れば彼女も乗ってくれたと判断していいだろう。
後は上手く説明する事、一息ついてお茶を飲み干した。
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