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「犬丸、用事作ってくれてありがとうな」
「ふふっ」
犬丸とは長い付き合いだ、俺が退室したい状況下で長居して大丈夫かにゃ?用事があるんじゃないかにゃ?と言える具合に。
『猫の集会』ギルドカフェ中でも、それは分かったようだ。
「じゃあこれは購入経費…ステータス画面からギルドを作ったりギルドカフェ設立できるのは便利だな」
意識して表示させる画面からギルドカフェ情報を調べる、立地条件や広さ。
全く、現実にこんなのがあったら便利すぎて困ってしまう。
宿近く、ショップにも近い場所を購入した。
二百万、大きさとしては一軒家が2つ繋がっているレベル。随分格安だが、それは逆に設備が整っていない事を意味する。
「風呂ないわ」
「え!」
「家具もないな」
「えええ!」
「しばらくは宿だな」
「買った意味…どういう事なの…」
元々どこかのギルドが円卓テーブルで会議した事があるらしく円卓テーブルと椅子だけは存在していた。
だがそれだけだった。
「にゃー、汚いし。まずは掃除からだわん」
「犬か猫かハッキリしろ」
どちらかといえば猫の方が多い犬丸ではあるが…。
ピロリンッ♪
脳内で音が流れる、メールが来たのだ。すぐさまメール画面を開いて確認する。
『クロスロードだ。今シエンが死亡した、現在こちらは逃亡中。場所は鉱山採掘所、シエン復活地点にて救出後速やかに来てくれ』
鉱山採掘所。
敵が攻め行って来ているという事か?意味が分からない。
しかし、クロスロードが待避するというのは相当の相手なのだろう。
まさしく、対人のような。
…対人?
「あるじ、今那奈からメールが来たんだが…」
「クロスロードからこちらも来た、悪いが『猫の集会』に数人借りよう、犬丸頼む!俺は騎龍で追うからお前達は先に行ってくれ!」
「任された、シエンの事を頼んだにゃ!」
そうして俺はシエンの元へ、犬丸は『猫の集会』ギルドカフェへと向かったのだった。
何故こんな事に、一体どうなっているというんだ、クロ。
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