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「お疲れ様です!あ、あのローブ使いますかっ?」
「ああ…悪い」
《バーサク》は急激に体温が上昇し、活性化した身体を存分に使うというもの。
20秒間で、だ。
一気に上昇した体温はスキル適応期間が終了する数秒前に緩やかに下がっていく。
ただし、敵がいなくなりスキルが一瞬にして消える場合は別なのだ。この場合は身体が一気に冷める。
つまり寒いのだ。
那奈から借りたローブを羽織り地面にあった段差に座り込む、目の前には黒騎士が立っていて先を見通していた。
「どうした、クロ」
「いや、見えないんだ。この先は石像の大地フィールド2の筈なのに」
「確かにそうですよね…フィールド2に出てくる筈のハイゴーレムが出ないですし」
「長いんだろうなフィールド、体感にして7倍くらいだ」
『石像の大地』は大都市『ブルーバード』の少し離れた場所にある場所で、ゴーレムが支配している設定のあるフィールド。
『ブルーバード』は低レベルから高レベルが活動できる地域、汎用性に富んだ場所だ。
6割のプレイヤーはここをホームとして活動している。
今では多分、9割だろう。
「どうする、戻るか?」
「採掘所が見え次第帰るぞ、距離を把握しとかないとな」
「主人は真面目わんわん」
「犬丸…まぁいい。那奈、ローブありがとな。さて行こう」
「あ、はいっ」
『石像の大地』
規模は大きく、沢山のモンスターが出没する。沢山というのは量ではなく種類だ、低レベル地域から高レベル地域の敵キャラの全てがこのフィールドに40レベルとして出現する。
そしてこのパーティー。
とわ。/レベル100
クロスロード/レベル100
犬丸姫/レベル100
那奈/レベル81
シエン/レベル83
と、高レベル集団なのだ。
何故高レベル集団が40レベル地域にいるのか、答えは簡単だ。俺達では高レベルモンスターが狩れないからだ。
いや、今の状況で剣を抜き戦うプレイヤーの方が珍しいか。
ダメージは痛みとなりプレイヤーに傷を付けるし、出血もする。
俺達はリアルなプレイヤーとして、オンラインゲームに閉じ込められているのだから。
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