石像の大地

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「煩い奴らだ、嘆いても喚いても変わらない」 「それでも…俺達がこうしていられるのは結局、見栄じゃないか。本質は彼等と一緒だよ」 「あぁ…確かにな」 『ワールドワイド』は少し前までオンラインゲームだったのだ、いきなり現実になったなんて誰も信じられない。 洋剣、刀、鎧。 一言で言えばなんだこれ。 「とわ、機能は確認したか?」 「あぁ、意識を向ければ視界にメニューが出てくるよ」 クロスロードは大体把握している様だ、会う前に少し調べていたのだろう。 ステータス値、パーティー作成、メール機能、ギルド機能、以下略。 操作に関するメニューバーがオンラインゲームの様に表示されるのだ。 今回俺がクロスロードという知人にメールを送信した、会う流れになったのはそれで、だ。 メール着信音はあるが、システムを把握出来てない限り開く事は難しい。 返信された時点でクロスロードはシステムを把握していた、つまりそういう事だ。 「困ったな、久しぶりの再開だってのに静かな雰囲気で」 「気にするなよ、とわ。誰しもこうだ。ところで、他は?」 「犬丸はこっちに来てるがよ、シエンと那奈はギルドで集まってるらしい」 「当たり前か」 「だな」 ギルドで集まる。 ギルドとは一つのチームの事で、ギルドマスター…つまり主人の命令や意見は重視される。 ゲーム内に閉じ込められた状況下でギルドは心配や不安を鎮める為に集まっているのだろう、これからの対策も練っている筈だ。 逆に俺達は縛られるギルドもないフリープレイヤーだ、クロスロードは傭兵としてギルド同士でするギルドバトル、闘技場系に参加する為に色々な場所に赴く。 そして俺はイベントをする場所に赴き協力をしている、傭兵もするが基本的にはパーティーを組んで遊んでいる。 パーティーはギルドとは違い、色々な人と共闘する物だ。パーティーに満足した俺はギルドに興味がなかったと言っていいのだろう。
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