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「おら行くぞ」
腰を抜かしたままの大輔をおいてすたすたと足を動かすウサギ
「ほら早くしないと置いてくよ大輔」
「ちょっ待って!」
森を抜けると洋風の石造りの家が立ち並んでいた。
「すっげ…外国みたい」
「イメージは中世ヨーロッパ。私の生きていた時代よりも少し古い時ね。」
「アリスって何人?」
「イギリス。イングランドよ。」
「どーりで。ウサギは?」
「ゲルマンなのは確かだけどきちんとした事は分からないわ。帽子屋は東洋人よ。あの黒髪はとっても綺麗。」
「絵本のイメージとは違うな。」
「それはルイス・キャロルの勝手なイメージ。私は皆が人の姿をしてるとは言わなかったもの。」
「へぇ。っとわ!ちょっいきなり止まんなよ」
ウサギが足を止めたのは立ち並んでいた家の中でもひときわ大きいレンガの家だった。
これまた大きい扉の上には看板があり、Hatterと書いてある。
「帽子屋ー!アリス連れて来たぞ」
ウサギが扉を開けて叫ぶ。
コツコツと、足音が聞こえる。
ドクン、ドクン
何故か胸が高鳴り、目頭が熱くなる。
(あぁそうかこれは、この感情は)
きぃ
扉が、開く
「久しぶりですね、アリス。」
大輔の目からは涙が溢れ出した
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