いかれた帽子屋

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空がオレンジに染まる頃、大輔は自宅のキッチンに立って居た。 「大輔ぇ~飯まだー?」 後ろから大輔の肩に頭を乗せる祐輔 「ちったぁ待てよ祐輔。」 その頭を邪魔そうにどける大輔。 「腹減ったー」 「子供か…。母さん今回どこ行ってんだってけ?」 「ブータンだとよ。さっき写メ届いた。」 「俺も海外行きてぇ。」 『あら、それなら不思議の国に行けばいいじゃない。』 「そういうんじゃなくてさぁ」 「は?俺なんも言ってねぇべ?」 「や!な、なんでもねぇ!」 「変な奴。お!旨そう!さっさと食おうぜ!」 「ちょ!つまみ食い禁止だ馬鹿。皿だせ皿。」 「うぃ~」 渋々キッチンから出て行く祐輔 『大輔、あなた達新婚夫婦みたいよ?』 「は?キショイこと言うなよ」 「大輔お前頭ホントに大丈夫か?」 (アリスーー!!!) (大輔の声が大きのが悪いんじゃない) 「麻婆豆腐上手くなったな、お前。」 そんな祐輔の褒め言葉(?)をもらったのち、大輔は自室に閉じこもった。 もちろんアリスの話を聞く為に。 「で、これからどうする?」 『どうするって?』 「アリスはあっちの世界に行きたいんだよな?けど俺にだって学校がある。毎日はちょっとな…。それに三月ウサギのしたい事も分からない。」 『なるほど、大輔も考えることは考えてんのね。』 「さっきから失礼な。まぁ、とりあえず今から行くか?」 『いいの?』 「問題はさっさと解決したいんだよ。さ、行くぞ。」 『ありがとね。大輔。』 アリスが笑うのにつられて大輔もつい頬えんだ。
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