三月うさぎ

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「あ、アリス!おかえり~」 帽子屋の家に着くやいなやチェシャがアリスに抱きついた。 「さっき振りチェシャ。帽子屋は?」 「ハートの女王に呼び出されたらしいよ。この前のが飽きたからまた新しいのを作れってさ!」 「…え」 「何でお前がそこまで知ってんだよ。」 「僕は耳がいいからね。要らないコトも聞こえちゃうんだよ。」 「ハートも変わってないなぁ…」 アリスは少し嫌な顔をした 「あの女王から我儘をとったらなにも残らねぇってくらい我儘だからな。」 「そういえばクラブの国は?」 「まだ復興のめども立ってねぇ。女王はまだ独りで泣いてるらしい。」 「僕には時々聞こえるよ。クラブの女王の泣き声が。ほんとにずっと泣いてるんだ。」 「ハートは、なにもしないの?」 「何もしないならまだいい、ハートの連中クラブの生き残りの女子供を奴隷同様に使ってやがる。」 「…私、またハートに文句言いに行ってやる!!」 「やめとけ、今のハートの軍事力はお前が居た時とは比べ物にならねぇ程強くなってる。前みたいにはいかねぇよ。」 「でも…!」 「あのー」 そこでようやく主人公である大輔は口を挟む事が出来た。 「みんな当たり前みたいに話してっけど今俺の疎外感半端ないんですけど。あやうく泣きそうになったからね!てか絶対俺の存在忘れてたよね!俺主人公なのにね!みんな酷いよ!」 「落ち着いて大輔。皆悪気があったわけじゃないの。…ただ大輔の存在に気付いてなかっただけなのよ」 「あれキミ居たの?」 「てかお前誰だっけ」 「ぐれてやるぅぅうう!!」
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