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有栖川大輔について少し説明しよう。
彼はごく普通の少年である。生まれた時に授かった黒髪を染める事なく今にいたり、父親がサラリーマン母親が専業主婦といった一般家庭で現在もなお暮らしている。
そんな彼は今、自室で棒立ちになっている。
「ど…泥棒?」
「あら、大輔。私が見えるの?」
「ひぃ!何故俺の名を?!」
「当たり前じゃない。私はあなたが生まれた時からそばにいるんだから。」
「・・・いやいや!知らないよ!?てか誰なんだあんた!」
「私はアリス。あなたの前世よ。」
アリスと名乗るその少女の言葉は自信に満ちあふれ、大輔は思わず息を呑んだ。
「あ、アリスってあのルイス・キャロルの?」
「そうよ、よく知ってるはね。ただ内容は少し違う。私は最後に嘘をついた。」
「嘘…?」
「ええ。あれは夢なんかじゃなかった。私は本当に不思議の国に行ったのよ。」
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