勇者な幼なじみ

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「マキは、俺が事を為すまで待っているといい」 とユウキから頼もしい言葉を聞いたので、存分に甘えるとしよう。 王国が勇者召喚を行ったのは、魔物の大量発生と凶暴化、突然変異の背景に潜む魔王の存在があったからだ。 魔物たちは、騎士団の力で何とかできるものの、魔王は勇者でなければ倒せない。 実際は、魔王を倒せる唯一の手段が【聖剣】であり、勇者にしか【聖剣】は扱えない。 【聖剣】には細かい制約がたくさんあるらしく、とにかく勇者が必要不可欠なのだ。 役目を負えた【聖剣】は、どこかへ消えてしまうらしく、これまた勇者が探さなければならない。 太古の伝承より、勇者とは異世界から喚びだされた存在を指し、この世界から誕生したことはないらしい。 そこら辺は、ハテナマークが付いてしまう。「歴史とは後から作られるもの」だから。 媒体が改編しやすく、また脆いものであればあるほど、信用性は低いと言える。 これはあくまで自分の見解だ、何でも鵜呑みするのはよくないということだ。 偽名の由来を、「巻き込まれた者」から取って【マキ】と名乗るくらい、ひねくれてるヤツの戯れ言さ。
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