隣のヤツは……

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いつも隣にいるヤツが鬱陶しかった。 親友というよりは腐れ縁的な存在で、小さい頃からずっと横にいる、幼なじみってヤツ。 アイツをそんな風に思いだしたのは、中学校の始まりから、特にそう思うようになったのは、おんなじ高校に入ってからだった。 勉強もスポーツもできる文武両道を地で行き、性格は丸くて情の深いお人好し。おまけに整った顔立ちときていて、女子が放っておかない。 先輩、後輩、同級生、おまけに転勤する先生にまで告白されるというモテっぷりを発揮するヤツだ。 対する自分は欠点など見当たらない幼なじみに嫌悪感を抱くほどに屈折していて、不機嫌な雰囲気を纏わせている。 ほとんどの時間をコイツと過ごしている所為で、交友関係は狭く、あまり人が近寄ってこないからだ。 男子は、コイツと一緒にいると女子の目がコイツに流れていってしまうと近づかない。 女子は、いつもコイツの隣にいるのを邪魔と思っているのか、敵意を剥き出しにして露骨な態度をとっている。 コイツが、「そんなことするのはよくない」と庇うもんだから余計に悪化させている。
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