隣のヤツは……

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ただいま地元の高校へ登校中。そして、いつものようにコイツが隣にいる。 鬱陶しいと思いつつも、口には出さないし、コイツ自体が悪いワケではない。 コイツには、好きな人というのがいるらしく、その人にはまだ告白をしていないそうだ。 自分の方針としては、コイツの恋路を邪魔するつもりはない。むしろ、さっさとくっついて離れてくれれば幸いだと思う。 そうすれば、女子はコイツを諦めて、隣にいる自分のことなど何とも思わなくなるだろう。 よって不遇な扱いから解放されて、近寄って来なかったヤツらとも仲良くできる、なんて後ろ暗いことを考えている自分がいる。 いつ告白するのかを聞くとよくはぐらかされていたが、最近ようやく決心が着いたらしく、今日の放課後にする事に決めたらしい。 コイツは、モテるくせして案外奥手で同じネタで何度も揺さ振って反応を楽しんでいた。 忘れた頃に尋ねてみると鮮度変わらず、耳まで真っ赤になって可愛いヤツだと笑い、日頃の鬱憤を晴らさせてもらう。 これからは、一緒の時間が減るんだろうな、と心のどこかで寂しさというか、親鳥が雛鳥の巣立ちを見守るような心境になる。 なんだかんだで、コイツと一緒にいるのを気に入っているのか、とも思う。
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