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「貴様ら……この我を愚弄してタダで死ねると思うなよ」
魔王はマキの連撃から立ち直り、今までにない禍々しい殺気を全面に出し、どす黒いオーラが吹き出す。
あまりの恐怖に耐え切れなくなったタリアとパトリシアは気を失い倒れてしまう。
「キレたのか……おいユウキ、予備の獲物をコッチに寄越せ。
散々、いじくり回してくれた礼はしないとな!」
凶悪な笑み、表情筋は笑顔を作っているのに、感情は反して殺意に満ちて、影が濃く深い。
「分かったよ……、でもマキは俺の援護を頼むよ」
ユウキは呆れそして諦め、マキに一振りの武骨な剣を渡し、気絶したタリアから盾を外し逆手に持つ。
「……ユウキ、お前コレ……、何で」
マキはユウキから剣を乱暴に取ったが、受け取って間もなく顔色が変わる。
「ん? 残念ながら俺に扱える代物じゃなかったんだよ。
気にするな、「責任」は俺のもんだ、抱え込むなよマキ?」
イタズラっぽくユウキは笑い、マキにそう言った。
「話は終わったか、ニンゲンども? 我を愚弄した罪を悔いながら死ね……!」
魔王が吼え、真っ黒な煙に包まれる。体積は裕に人のそれを超え、徐々に巨大化していく。
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