優者が悪魔に変わる刻

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幼なじみで誰よりも愛し、誰よりも信じていたアイツは、異世界に勇者として召喚されました。 地球上とは時間の流れが違うらしく、あちらで百年経った頃、こちらでいう一年くらい過ぎたくらいに、二度目の召喚が行われました。 一回目の召喚以降、俺は巻き込まれることはありませんでした。しかし、アイツと一緒に異世界に行くことは出来ませんでした。 しばらくしてアイツは帰ってきましたが、顔色は優れず、あまり浮かない表情をしていました。 何があったのかを聞いてみると、少し整理する時間が欲しいとのことでした。 それから1ヶ月、今日話してくれるというので、俺は何を聞いてもアイツのことを信じてあげようと、決意していました。 けれど、その日アイツはいなくなりました。 また、異世界に召喚されたのだと直感しました。 今度はアイツが帰ってくることはなく、世界からいなくなってしまいました。 まるで最初からいなかったかのように、存在自体がなかったかのように……。 アイツの席はクラスからなくなり、アイツのことを覚えている奴はいなくなり、アイツの両親も我が子の存在を忘れ、住民票からも消されてしまったのです。
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