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無我夢中で森に入ると、山小屋を見つけて立ち止まる。
ふと、由梨の手を見ると火傷をした様に赤く爛れていた。
「由梨さん!それ!」
由梨は、手を見ると苦笑して心配するなと答える。
「あはは、弥生姫の断りなく使用するとこうなるんだよね!」
山小屋の鍵を開けながら、零が由梨に小瓶を投げ渡す。
それを受けとると、明日夢を座らせてから手に液体をかけて包帯を巻く。
「明日夢、単刀直入に言わせてもらう、おっさんは、お前と話がしたいと言ってる……それと、地縛霊になるまで時間が無い」
ホームレスと何があったのかを聞かれていると理解した明日夢は、拳を握って口を開いた。
泣きながら全てを話す明日夢。
零は、目を閉じると長い溜め息を吐き出す。
「依頼として受け取っていいのか?」
明日夢は、頷くと頭を下げて頼んだ。
ホームレスと話をさせてくださいと。
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