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そして、あの雨の日。
男は、明日夢を庇ってストーカーに刺された。
朝を待って、怖くて戻れなかった家に戻ると警察が捜査していた。
「僕は、謝りたいんです!おじさんに……巻き込んでごめんなさいって!」
涙を流して言う、明日夢は今まで抱えていた思いを吐き出した。
「お前の気持ちは、分かった……おっさんにその気持ちを伝えにいくぞ」
壁にぶら下げてある麻紐を手にして長い髪の毛を縛る。
数珠を腕にはめると、鈴のストラップを摘まんで明日夢に投げた。
それは、あの道であった出来事が起こらない様にする為の必須アイテムだ。
そして、由梨の前に立つと命令をする。
「いいか、何があっても漆原明日夢を守れ」
由梨は、小さく頷くと明日夢の手を握り山小屋のドアを開けた。
鈴のストラップをジーンズのベルト通しに付ける明日夢は、しっかりと由梨の手を握り、覚悟を決める。
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