プロローグ

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夏の日差しを浴びながら、自転車を漕ぐ少女。 後部座席には、長い銀髪の少年がアイスを食べながら座っていた。 急ブレーキに、バランスを崩してアイスが落ちる。 「……馬鹿女、アイスが落ちたぞ」 少年の声に、反応せずに一点を見つめる少女に違和感を覚え、チラッと見る。 そこには、鎖を首から生やした男性がいた。 「あれ……幽霊?」 「それ以外、何があるんだ?」 蝉が鳴く。 鎖を生やした男性は、2人を見ると悲しげに手招きをして呼ぶ。 鈴を腰のチェーンから外す少年を見た男性は、声を荒げた。 ―待ってくれ! 2人は、顔を見合わせて自転車を降りた。
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