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『今回のゲストは、超人気アイドルである明日夢君です!』 交差点にあるスクリーンに映し出されたのは、女性司会者と金色に近いボブヘアーの少年だった。 自転車のハンドルを掴んで信号待ちをしていた少女は、ポカンと口を開けてスクリーンを見ている。 ゆっくりと後ろを振り返ると自転車の後部座席に座る銀髪の少年もまた、ポカンと口を開けていた。 「な、ないわー」 少年の呟きに、少女は笑うとタオル地のピンクウサギが付いた携帯を取り出すと「明日夢」と検索を始めた。 やはり、有名アイドルの明日夢が出てきて一通り見ていると、一つの記事を見つけた。 「ホームレス殺害事件、住宅街で「明日夢」と呼ぶ声」 タイトルを読み上げると少年が携帯を奪い、記事を黙読する。 少女は、自転車に跨がり漕ぎながらスクリーンの明日夢を見ていた。 ―漆原明日夢を探しているんだ。 数日前、偶然通りかかった住宅街にいたホームレスの幽霊に言われた言葉に、しぶしぶ探す事となった二人は、自転車で移動しながら「明日夢」を探していた……。 漆原明日夢と言っていたが、心当たりは無く困っていたのだ。 「……馬鹿女」 「誰が、馬鹿女だ」 少年の声に、自転車を揺らしながら抗議すると舌打ちが聞こえた。 「コイツだ、間違いないだろう……ホームレスのおっさん所に戻れ」 自転車を引き返しながら、少女はブツブツと文句を言うと携帯を受けとる。
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