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黒い影が歩いているのを見て、下を向く。 ここは、何処なのか分からないが言葉を発するのも2人から離れてはいけない、そう感じた明日夢は唇を噛み締めて、俯く。 「私は、話しても大丈夫だけど……明日夢君は駄目、一言でも話したら……死ぬよ」 緊張が走る。 早く、早くと終わりを求めて歩く。 「もうすぐだ」 零の言葉に、肩の力を抜くと橋を確認した。 橋にも影がいる。 慎重に足を伸ばすと、黒い影とぶつかりよろめいた……。 「うわ!」 声を発してしまった。 零と由梨が、同時に振り返ると明日夢を引っ張り走り出す。 黒い影が、明日夢を追って動き出した。 腕を掴まれ、引き寄せられる感覚に目眩がする。 「由梨!弥生姫を抜いて戦え!」 「はい!」 零の命令に、明日夢を掴む影を刀で切り裂く。 影が、一斉に飛び掛かるのを確認して右足を軸にして回転しながら、切り裂いて明日夢の服を掴んで零に投げた。 片足で、橋の飾りに立つと刀を突き付けて言う。 「消滅したくないなら、去りなさい!」 黒い影は、動きを止めると地面に溶ける様に消えた……。
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