1話目

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いきなりだが、この世に幽霊何てものは存在しない。 だってだ、考えてみてほしい。 神様云々とかそんな宗教染みた話は置いといて、とりあえず生物の雄雌が現代科学で明瞭にされた法則により子供を作る。 ここまでは良い。 だが死んでまでこの世に残り続けるというのは一体どういう事だ? 恨みごとや思い残したことがあるとその強い思念が具現化して肉体が死してなお現世に留まるらしいが、その程度の事で良いのなら死の間際「まだ死にたくない!」とでも願えば幽霊になって簡単に死後第二の人生を味わう事が出来そうだ。 強い思念が無ければ幽霊にはならないとでも反論されそうだが、そもそも人の死の間際の想いというのは大抵強いものである。 そんな簡単に第二の人生歩める筈も無いし、もしそうだとしたらこの世はとっくに幽霊で溢れている事になる。 よって、幽霊など存在しない。 ・・・何故俺がこんな穴だらけの主張をしたかと言えば。 「アァ・・・アァ・・・」 目の前に浮かぶ血だらけで青白い顔した腰から下の無い女の人の存在を否定したかっただけなのである。
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